家を建てるうえで考えなければならないことに「外構」があります。外構とは敷地のまわりを囲む塀、門扉、垣根、アプローチ、庭、車庫など、敷地内で建物の外側全般を指します。外構にもいろいろな種類がありますが、ここではオープン外構についてメリットやデメリット、どんな人におすすめかご紹介します。
オープン外構とは
オープン外構は読んで字のごとく、開かれた外構を意味します。反対に閉じられた外構はクローズド外構といいます。クローズド外構は高い塀で敷地が囲まれていて、外からは塀の中の様子は全く分からないような外構です。
オープン外構は逆に高い塀などがなく、前面道路から家の様子が見える開放的な外構のことを意味します。敷地の一部だけに塀や垣根などを設けた外構はセミクローズド外構と言います。
オープン外構のメリット・デメリット
オープン外構のメリットはなんといっても開放感があることです。オープン外構は建物内に侵入しようとすると、その様子が道路から丸見えになります。
身を隠せる場所がないので防犯の観点でプラスです。道路から家が見えると家の前を通りかかる近所の人とのコミュニケーションもとりやすく、そうした点も防犯性を高めることにつながります。塀がないと風通しや日当たりもよく、外壁に苔が生えたりするリスクを軽減することができます。
外壁に苔が生えてしまうと見栄えが悪いことはもちろん、建物の劣化を早めてしまいます。外壁についた苔は落とすのも大変です。オープン外構は建物を手間なく長持ちさせるうえでもメリットがあります。
クローズド外構にするには敷地をぐるりと高い塀で囲う必要があり、当然コストもかかります。オープン外構は初期費用がかからないことはもちろん、メンテナンスにかかる費用も削減できるため、クローズド外構と比べてコストを大幅に削減することができます。
一方でオープン外構にはデメリットもあります。前面道路から家が丸見えになるわけなので、庭は敷地内であってもプライベートな空間とは言い難くなりますし、人目が気になる可能性も高いです。道路側に洗濯物は干しづらいですし、オープンな敷地は境界があいまいで人も入ってきやすくなります。
近所の子供が敷地内に入ってきてしまうと、そうしたコミュニケーションを歓迎する人にとっては問題ありませんが、そうでない人にとっては居心地が悪く感じるでしょう。オープン外構は外から入ってくるだけでなく中からも出やすくなります。
小さい子供やペットがいる家庭では、勝手に道路に出てしまうリスクもあります。オープン外構のこうしたデメリットは、庭を道路とは反対側に配置したり、建物をコの字にして中庭を作ったりして対策することもできます。
また、視線を遮りたいところにだけ目隠しの植栽を設置するのもおすすめです。窓をマジックミラーのようにできる目隠しシートは安価で購入できるので、そうしたシートを道路側のサッシに貼ることで、日中カーテンをあけていても家の中からは外の景色も見えて解放的です。
勝手に敷地内に人が入らないようにする方法としては、境界線に花壇をつくるのも有効です。花壇は家族だけでなく近所の人に楽しんでもらうこともできます。
オープン外構がおすすめの人
予算の都合上、外構にはそれほど予算をかけられないという方はオープン外構を検討するといいでしょう。最初からオープン外構にすると決めておくことで、間取りや建物の配置でオープン外構のデメリットを対策することもできます。
大切なのは家づくりの最初の段階で外構についても方向性を決めておくことです。家づくりの予算は限られています。どうしても採用したい設備がある、建物の性能やインテリアにお金をかけたいという場合は外構をシンプルにすることで、建物のクオリティをあげることができます。
家づくりの初期段階であれば建物の形状や庭の配置などを変更する対策が可能です。近所の人と積極的にコミュニケーションがとりたいという社交的なタイプもオープン外構が合っているでしょう。
ガーデニングが好きな人は自分の自慢の庭を近所の人に見てもらいやすいオープン外構を検討してみるといいでしょう。逆に近所づきあいは必要最低限にしたい、家はなるべくプライベートな空間にしたいというタイプであれば、クローズド外構にしたほうが心地よく暮らすことができます。
また高級車を所有している人やこれから買う予定がある場合は、クローズド外構にしておいたほうが安心して車を駐車しておくことができるでしょう。庭の管理をする自信がないという人も庭が外から見えるオープン外構は不向きです。
ペットがいる家庭ではクローズド外構のほうがペットを庭で遊ばせやすいでしょう。
まとめ
開放的でコストもかからないオープン外構は上手に取り入れることで総合的な満足度の高い家づくりができます。オープン外構はある程度の大枠だけつくっておいて、あとは暮らしながら満足のいく形に作り上げていくこともできます。こちらで紹介した内容も参考にしながら自分の家にぴったりの外構を考えてみてください。