住宅に門柱を導入することは、エクステリアデザインに魅力的な要素を追加し、プライバシーとセキュリティを向上させる効果をもちます。素材やデザインを個々の好みや建物のスタイルに合わせてリフォームすれば、分譲住宅でも他家との差別化を図れます。今回は門柱について設置する意味や役割、メリット・デメリットを解説します。
門柱とは?
門柱は「もんちゅう」と呼びます。門の柱と書きますが、文字通り柱状態の構造物ではありません。門柱は玄関先にある独立した壁状の構造物で、ポストやインターホン、表札などを取り付けたり、道路や隣家との境界を示したり、外部から住宅の様子が丸見えにならないよう目隠ししたりといった役割を持ちます。
それ以外にもデザインにこだわることで外観を向上させたり、他の住宅と異なる装飾を施して個性を出したり、来訪者が識別しやすくすることも可能です。
門柱を設置するメリット
門柱を設置するメリットは大きく分けて2つあります。
1つめは「美的要素の向上」です。門柱はなんといっても家の顔のようなものです。門柱をこだわることで、家の外観にエレガンスと特別感を与えます。選んだデザインや素材によって、家のスタイルや個性を引き立てる効果もあります。
たとえば白一色でまとめた門柱デザインはピュアな印象があり、どんな色の地面タイルともコントラストを楽しめるので、家先に統一感を持たせ、かつ見栄えよく仕上げられるのが特徴です。また化粧ブロックやレンガを使った門柱は、かわいい雰囲気で温かみの強い印象になります。
特にレンガは焼き物なので、一つごとの色合いが異なるため、独特の味わいがあります。経年による色変化も人気です。逆にすっきりした印象を好む場合は、モノトーンでまとめることをおすすめします。門柱をコンパクトにすれば設置コストを低く抑えながら、高級感のある玄関先を演出できます。
2つめのメリットは「セキュリティの向上」です。門柱にゲートやドアを設置することで、住宅へのアクセスを制限し、セキュリティを高められます。門柱がない場合は、敷地の境界がわかりにくいため、通りすがりの人の侵入を受ける可能性が高くなります。
また、セールスや勧誘を装った悪意のある人間が、敷地内の様子をうかがいやすい状況であることも事実です。ドアやゲートを取り付けなくても、門柱さえあれば目隠し効果があるので、敷地内のプライバシーを守る効果があります。
お住まいの地区が、人通りが多く治安に心配がある場合や、小さいお子さんがいる家庭に該当する場合は、門柱があることで生活の安心レベルを高められることが大きなメリットです。
また門柱に照明器具を取り付けることでも、防犯性の向上が見込めます。夜間の来訪者をライトアップしてくれるので、相手の顔をしっかり確認できるからです。
空き巣に入られやすい家の特徴に「留守が多い家」「人の気配が感じられない家」があります。玄関先の照明は、この点においても有効な防犯対策です。玄関を照明で照らすことは、防犯だけでなく安全性の向上にもつながり、かつ照明のデザインやライトアップ方法にもこだわることで、門周りの魅力度まで高められる効果があります。
門柱を設置するデメリット
門柱を設置するデメリットとして、コストがかかることが挙げられます。天然木や高級石といった貴重な建材を用いる場合は、設置費用が高額になります。門柱の設置費用はデザインや材料によって異なりますが、設置する前にしっかりと予算を考慮する必要があります。また、定期的なメンテナンスや管理にかかる費用も必要です。塗装や清掃など、良好な状態を保つための労力が必要になります。
他にも、門柱を導入することで、アクセスに制限がかかるというデメリットがあります。たとえば来客があった際に、門柱のインターホン前で訪問者を待たせてしまうことになったり、あるいは郵便物の受け取りのために玄関から離れたポストに取りに行ったりといった手間が発生します。
とりわけ天候の悪い日には、お客さんを道路に待たせてしまうことを申し訳なく感じたり、わざわざ傘をさしてポストを確認しに出ることを手間に感じたりするかもしれません。
まとめ
門柱を設置することで家の外観と機能性を向上させる効果があります。メリットとしては「美的要素の向上」と「セキュリティの向上」があります。デメリットは設置コストがかかることや、訪問者を待たせてしまったりポストの確認が手間だったりすることです。
門柱の設置を検討する際には予算やプライバシーのニーズ、セキュリティ要件を考慮することが重要です。実現したい門柱のデザインや機能が具体的にある場合は、プロのアドバイスを受けることもおすすめです。実現したい要素を叶えながら、設置コストを抑える最適な建材やカラーリングなどのコツを教えてもらえるでしょう。