家を建てた時には庭や家の中が丸見えにならないよう、目隠しとして、生垣やフェンスを設置するのが一般的です。近年ではフェンスを設置する家が多い傾向にありますが、家の景観に緑をプラスしたい方におすすめしたいのが生垣です。ところで、生垣にはどんなメリットがあるのでしょうか。デメリットや、目隠しフェンスとの違いも解説します。
目隠しに最適?生垣とは
生垣とはどんなものを指すか知っていますか?普段の生活で目にしても、詳しくは知らないかもしれません。
生垣は家の目隠しに最適なものです。目隠しフェンスとの違いについても把握しておきましょう。
生垣とはどんなもの?
生垣は簡単にいえば、樹木を用いて作った垣根を示します。垣根は竹や木を使って作った壁のことです。
竹を並べて、縄で編んだ垣根が昔の主流でした。この垣根を、丈の低い樹木を並べて植え、作り上げたのが生垣です。
漢字のとおり、生きた植物で作る垣根が生垣ということになります。
目隠しフェンスと生垣の違い
家の目隠しとして、生垣と同様の役目を果たすものに、目隠しフェンスがあります。目隠しフェンスは、やや高さのあるフェンスで、1.5〜2mほどの高さが一般的です。
ブロック塀の上に設置するものや、フェンス単独で設置するものがあり、材質は木製、アルミ製、樹脂製などさまざまな種類があります。しかし、生きた植物である生垣に比べ、雨風にさらされることによる劣化が避けられないのがフェンスの欠点です。
また、生垣は樹木の隙間から風を通しますが、目隠しフェンスは商品によっては、風通しが悪くなることがあります。風通しを考え、隙間の広いものを選ぶとプライバシーが守られなくなるので、設置には十分な検討が必要です。
また、費用面ではフェンス本体の費用だけではなく、設置費用がかかります。ブロック塀を使用する場合には、さらに費用が追加されるでしょう。
生垣を作るメリット・デメリット
生垣とは、樹木を使った目隠しであることがわかりました。目隠しのスタイルをどんなものにしようか迷っている方は、生垣を作るメリット・デメリットも気になるでしょう。
設置費用も決して安くはないので、後悔しないようじっくり検討してください。
生垣を作るメリットとは?
生垣のよいところは、まず自然に目隠しができるところでしょう。高いフェンスで隙間なく囲ってしまうと、近隣の住人から「警戒心が強くて、近づきづらい」「そんなに家を覗かれたくないのかしら?」と不快な気分にさせてしまう可能性があります。
生垣は庭の緑にも馴染み、自然な目隠しが可能です。また、生垣は季節によって色や形態が変化します。
夏には緑が美しく茂り、秋には紅葉するものもあるでしょう。四季の移ろいを楽しめるのも生垣の魅力です。
さらには、フェンスは地震の際に倒壊するリスクがあります。一方、土に埋まった樹木の生垣は倒壊しにくく、仮に倒れてきたとしても、低木であることから大きなけがや被害につながりにくいでしょう。
防犯面でも、フェンスは乗り越えやすいのに対し、生垣は登りにくいことから、不審者が入り込みにくいのがメリットです。葉は触れるとガサガサと音がする特徴からも、セキュリティを高められます。
生垣にはデメリットもある?
生きた植物であることから、多くのメリットがある生垣ですが、逆にデメリットになってしまう部分もあるので注意が必要です。
たとえば、夏には葉が生い茂って、枝が伸びてくることがあります。秋には枯れ葉が大量に落ちることもあるでしょう。枝葉が道路側に伸びてきて、人の通行を妨げたり、通行した車にキズを付けてしまったりする可能性があります。
また、植物には害虫が付く可能性があります。メンテナンスを怠ってしまうと、害虫によって生垣の樹木が病気になり、枯れてしまったり、他の植物に病気がうつったりすることがあります。
せっかく目隠しとして生垣を作ったのに、木が枯れ、隙間ができてしまえば、目隠しの効果も半減してしまいます。
生垣を作るときのポイント
メリットもデメリットもありますが、フェンスでなく生垣を作りたいと思ったら、どんなことに注意したらよいのでしょうか。ここでは、作ってよかったと思える生垣にするためのポイントをご紹介します。
生垣に使う樹木の選び方とは?
生垣に使う樹木は、一年中、緑の葉が茂る常緑樹を選ぶとよいでしょう。
また、生垣を設置する環境にも配慮が必要です。日陰や寒さに強い、雨風に強くへたりにくいといった特徴にも注目すれば、枯れにくく、長く美しさをキープできます。
さらに、目隠しに高さが欲しい場合には背がぐんと伸びる植物を選ぶなど、理想の生垣を具体的にイメージして樹木を選ぶとよいでしょう。
住宅の外観や庭に馴染む生垣づくりが大切
生垣は、住宅の外観や庭の雰囲気に合ったものを作りましょう。西洋風の家に合う樹木と、瓦屋根の日本家屋に合う樹木は異なります。
また、生垣はさりげなく目隠しができるところがメリットです。庭のテイストに合った樹木を選べば、生垣だけが浮いてしまうこともなく、庭の一部のように馴染むでしょう。
隣の家との境界に設置するときは注意!
隣の家との境目に生垣を設置するには、実は注意が必要です。自分の敷地内の枝や葉の刈込はできますが、生垣が境界線上にあると、反対側の刈込ができなくなってしまいます。
隣の家の敷地に入らないと手入れができないのは、たいへん不便です。できれば、外側に刈込ができるような。
まとめ
プライバシーを守るナチュラルな垣根として、緑や植物が好きな方にも生垣はおすすめです。季節ごとに葉の色を変える生垣は、住宅の印象も変えてくれます。
日々のメンテナンスも慣れれば、大きなデメリットに感じることは少なくなります。街に緑を増やす取り組みが行われる市区町村では、生垣を設置する際に補助金が交付される場合もありますので、設置する前に確認してみましょう。