住宅の入り口部分である玄関アプローチは住宅の第一印象を決める重要な部分です。この部分を上手に作ることで、外観の印象が大きく変わるからです。では、おしゃれな玄関アプローチはどうやって作ればいいのでしょうか。今回はおしゃれな玄関アプローチの作り方やワンランク上を目指すための素材選びやコツについて解説します。
おしゃれな玄関アプローチの作り方
玄関アプローチをおしゃれにするにはどうすればよいのでしょうか。利便性や構造などの視点から、3つのポイントを取り上げます。
住宅の印象を左右する重要な外構
住宅の門から玄関までの道のりを玄関アプローチといいます。門から玄関までのほんの数mの空間ですが、工夫を凝らすことで住宅の印象を大きく変化させることができます。外構の中でも最も重要な部分といってもよいでしょう。
駐車場や庭などと一緒にトータルでデザインするとより洗練された雰囲気を作り出せます。
通路を曲線にすることで奥行きを感じさせる
広大な敷地があれば話は別ですが、一般的な戸建て住宅の場合、門と玄関の直線距離は数mにしかなりません。少しでも奥行きを出すには、アプローチの小道に曲線をつけるのがおすすめです。
しかし、単に道を曲線にしても殺風景では効果が半減してしまいます。そこで活用したいのが植物などの植え込みです。通路に沿って花壇などを配置することでメリハリがでます。
植物を植えてアクセントをつけることもおすすめ
玄関周りに植物を植えるのも効果的です。和風の住宅であればモミジ、洋風であればオリーブといった風に住宅の雰囲気にあわせて植える木を選びましょう。
子どもの成長にあわせて木を植えると、自宅のシンボルツリーとしての役割も果たしてくれます。ただし、匂いが強いキンモクセイや毛虫が付きやすいサクラなどは要注意です。
長年にわたり生活を共にする木ですので、シンボルツリーの選択には気を遣いましょう。
ワンランク上を目指すなら素材選びも重要
工夫を凝らしたワンランク上の玄関アプローチをつくるのであれば素材選びも重要です。ここからは、よく使われる素材に着目して解説します。
掃除のしやすさや、デザイン、防犯面や安全面なども考慮しながら検討することをおすすめします。
敷石
よく用いられる敷石は御影石やピンコロ石、花崗岩などです。和風住宅の敷石でよくみられるのが御影石です。
花崗岩の中でも高級な石材を御影石といいます。御影石の長所は高級感を出せることです。玉砂利などと組み合わせるとシックで和風なアプローチになります。
洋風住宅であればピンコロ石や花崗岩がおすすめです。ピンコロ石とは約9cm四方にカッティングされた石材のことです。ヨーロッパでは石畳などの材料として用いられてきました。
レンガ
洋風住宅のアプローチとして多用されているのがレンガです。色や大きさが均一で価格が手ごろなため使用しやすいのがその理由です。
赤みがかったオーソドックスなレンガをはじめ、少しくすんだ色合いのレンガ、アンティーク素材などもあるため自分の好みで色を選べます。
並べ方や組み合わせでも印象が変わるため、個性的な通路にしたい場合もお勧めです。
タイル
耐久性が高く、防汚性能も高いのがタイルです。メンテナンスしやすいという特徴がありますが、雨が降ると滑りやすくなるのが難点です。
洋風・和風どちらでも対応可能ですので、デザインによって使い分けができます。
枕木
鉄道の線路に使われていた枕木ですが、現在は玄関アプローチの素材としても人気です。木材ですので周囲の自然に溶け込みやすいのが長所です。
天然木を使うときはシロアリや劣化対策が必要です。人工木を使うと耐久性の問題をクリアできます。
砂利
砂利には化粧砂利や砕石砂利がありますが、玄関アプローチのように人目に付く場所では化粧砂利を用います。形が美しく種類が選べるからです。
最近は防犯対策としても注目を集めています。
玄関を演出するおしゃれなアプローチを作るコツ
おしゃれな玄関アプローチをつくるにはいくつかのコツがあります。主なコツは以下のとおりです。
・アプローチは広すぎず、狭すぎず
・曲線を用いて奥行きを持たせる
・死角を作らないように注意
・建物とアプローチの色合いをあわせる
・他の外構デザインとの調和を考える
アプローチの適切な幅は1.2m前後です。日本人の場合、60cmほどの幅があれば支障なく通行できますが、60cmギリギリでは狭く感じてしまいます。かといって、2mも幅を取ってしまうと間延びした印象になってしまいます。
荷物を持った人や自転車を押した人が楽にとおれる1.2m程度の幅が最適です。通路は曲線を用いて奥行きを演出したほうがよいですが、死角を作らないよう注意が必要です。
空き巣が身を隠せるような場所を作ってしまうと防犯上よくありません。もし、死角ができてしまうようであれば防犯カメラなどの設置を検討したほうがよいでしょう。
建物や他の外構との調和も大切です。あまりに建物と色調が異なると悪目立ちしてしまいます。バランスのよいデザインを心がけましょう。
まとめ
今回はおしゃれな玄関アプローチの作り方やデザインについて素材や目的の観点から解説してきました。使う素材やデザインによって住宅の個性を出せる部分ですので、しっかり作り込んで理想の住まいにしたいですよね。全体の雰囲気や利便性、防犯性や手入れの手間などを視野に入れることで、素材やデザインを考慮することが大切です。