外構には大きく分けて「オープン外構」「クローズ外構」「セミクローズ外構」の3つがあります。家を建てるうえで外構をどのタイプにするか悩まれる方も多いのではないでしょうか。ここではクローズ外構のメリットとデメリット、どんな人におすすめか、外構で悩んでいる方に役立つ情報をご紹介します。
クローズ外構とは?
クローズ外構は高い塀やフェンス、生垣などで敷地を囲い、敷地内の様子が前面道路からはわからない外構です。いわゆる「お金持ちの家」はクローズ外構が多いイメージではないでしょうか。反対に道路から敷地内の様子が見えるタイプの外構は「オープン外構」と言います。
アメリカなど敷地が広くとられた家では、道路から建物まで距離をとることができます。また、プライバシーについてそこまで気にする必要がなく、防犯性も高いので、コストのかからないオープン外構となっている住まいが多いです。
敷地が狭く道路から建物まで距離のない日本ではオープン外構にすると家の中が道路から丸見えになってしまうので、部分的に視線を遮る外構を設置するセミクローズ外構の住まいが多くなっています。
クローズ外構のメリット・デメリット
クローズ外構は敷地内を完全にプライベートな空間にすることができます。塀やフェンスを設置するので、どこからが自分の敷地かが明白で、簡単に侵入されることがありません。外部からの視線を気にすることなく庭で遊んだり洗濯物を干したりすることができます。
クローズ外構ならペットや幼児が家の敷地から外に出る心配もないので、安心して庭で遊ばせることもできます。クローズ外構のデメリットとしてはコストがかかることです。敷地を完全に囲うためにはそれなりの高さの塀やフェンスが必要になります。
オープン外構と比べると当然資材や工事費がかかります。クローズ外構にする場合は、家づくりの予算組みをする段階で、しっかり外構予算をとっておく必要があります。クローズ外構は初期費用だけでなくメンテナンスにも費用と手間がかかります。
背の高い植栽は定期的な剪定が必要ですし、塀やフェンスも経年で劣化すると修繕費用がかかります。将来的なことも考慮した予算計画が必要です。ただ、費用はかかるものの外構の塀やフェンス、門扉や門柱など自分の好きな素材やデザインを選ぶ、家づくりの楽しさもあります。
またクローズ外構は外部から気軽には侵入できないものの、ひとたび敷地内への侵入を許してしまうと外部からの視線が届かないため、ゆっくりと建物に侵入することが可能となってしまいます。そのためクローズ外構のほうが空き巣から狙われやすくなります。
クローズ外構にする場合は、監視カメラやホームセキュリティといったセキュリティ対策も検討することをおすすめします。敷地内の様子が外からは全く分からないので、近隣に対して威圧感を与えることもあります。
クローズ外構だらけのエリアであれば問題ありませんが、ほとんどの家がオープン外構やセミクローズ外構のエリアでクローズ外構は目立つ可能性があります。自然なコミュニケーションも生まれづらい点はクローズ外構のデメリットといえます。
クローズ外構がおすすめの人
小さな子供がいる家庭やペットを飼っている家庭であれば、クローズ外構のほうが気軽に庭遊びをさせることができます。子供やペットを庭で遊ばせたいと考えているなら、クローズ外構のほうが向いています。
近所の人に気兼ねすることなくペットを庭に出すことができますし、脱走のリスクも軽減できます。またオープン外構と違い外部からの視線を気にしなくてもいいので、多少手入れが行き届いていなくても家族にしかみられることはありません。
所有している車が高級車という人、あるいは将来的に購入を検討している方もクローズ外構がおすすめです。オープン外構では駐車スペースと道路が近く、大切な車が通行人に傷つけられてしまうリスクが高くなります。
クローズ外構でシャッターつきの車庫にすると安心です。シャッターつきの車庫で高級感を演出することができます。オープン外構は敷地の境界があいまいになりがちです。「自分の敷地に他人が入ってくるのは絶対にいや」という神経質なタイプの方にもクローズ外構がおすすめです。
予算に余裕があり、家づくりは外構までとことんこだわりたいという方もクローズ外構がおすすめです。アイアン、木材、タイルなど塀の素材やデザインも建物とマッチさせることで、完成度の高い住まいにすることができます。こだわって作った外構なら日々の帰宅時の満足感も格別になることでしょう。
まとめ
クローズ外構、オープン外構それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらがいいかは家を建てるエリアや家族の構成、どんな暮らしがしたいかなど家庭によって異なります。クローズ外構はかなり予算がかかるので初期段階で計画にいれておくことも大切です。
家づくりの終盤になって「外構にかける予算が足りない」となると、クローズ外構がいいけれど予算の都合上難しいという事態になりかねません。こちらで紹介した内容を、ぜひ納得のいく外構づくりに活かしてください。