家づくりで決めることのひとつに外構があります。外構はエクステリアとも呼ばれますが、玄関へのアプローチ、門柱、門扉、車庫、庭、塀、フェンス、植栽といった建物以外の部分を言います。外構にもいくつか種類がありますが、ここではセミクローズ外構についてメリットやデメリット、向いている人などをご紹介します。
セミクローズ外構とは
外構のタイプには高い塀などで敷地を囲って前面道路から敷地内が見えなくなっている「クローズ外構」と、逆に塀などを設置せず道路から建物が見える「オープン外構」があります。
「セミクローズ外構」は完全にクローズでも完全にオープンでもない、クローズ外構とオープン外構のいいところを合わせたスタイルの外構です。車庫やアプローチはオープンにして、庭には侵入できないよう、また視線も遮ることができるフェンスを設置するスタイルや、侵入や脱走のリスクを減らせる背の低いフェンスだけを敷地の境界に設置するスタイルなどがあります。
セミクローズ外構の費用相場はおおむね200万円~300万円程度と言われています。オープン外構よりは高くなりますが、クローズ外構よりは費用をかけずにすみます。
セミクローズ外構のメリット・デメリット
セミクローズ外構は部分的に視界を遮る植栽や塀を設置するスタイルなので、視線が気になる部分は隠すことができ、なおかつ開放感を残すことができます。風のとおり道ができて建物が湿りやすくなることもありません。
家の中と外どちらも開放感があり、近隣に圧迫感や威圧感を与えることもありません。アメリカではオープン外構の家が多いですが、それは土地が広く道路と建物との間に距離があるので、オープンにしていても視線がそれほど気にならないことや死角がないことが空き巣被害のリスクを減らせることなどが要因です。
日本の場合エリアにもよりますが住宅街で完全にオープンな外構にしてしまうと、やはり道路からの視線が気になるケースが多いです。開放感を残しつつ、気になる視線を遮ることができるのもセミクローズ外構のメリットです。
庭でのんびり過ごしたり子供やペットを遊ばせたりする際にもフェンスや塀が設置されていたほうが安心です。クローズ外構は、敷地を高さのある植栽や塀で囲むため資材費が高くなります。
セミクローズ外構は必要な目隠しは部分的なので、オープン外構よりは高くなりますがクローズ外構と比べれば費用はかなり抑えることができます。背の低いメッシュフェンスなどを設置すれば、小さいこどもやペットが道路に飛び出すのも防ぐことができます。
メッシュフェンスもリーズナブルで人気の外構資材です。一方で、セミクローズ外構であっても目隠しを重視して塀を設置してしまうと、不審者が隠れる場所が増えてしまうので、防犯上はマイナスになります。
セミクローズ外構は種類が幅広いですが、目隠しを多く設置する場合は監視カメラを設置するなど道路からの死角対策を行うことをおすすめします。外構にほとんど何も設置しないオープン外構と比べると、セミクローズ外構のほうが完成度の高い家に見える点もメリットと言えます。
敷地全体を囲うわけではないので外構にかかる費用は部分的ですが、門扉や門柱、シンボルツリーなど人の目につく場所にデザイン性の高いものを設置すればぐっとおしゃれな印象になります。外構の素材にも様々なものがあるので、お気に入りのものを一つ選ぶだけでも家への愛着も増します。
セミクローズ外構がおすすめの人
セミクローズ外構は、部分的に視線を遮ることもできて、多くの人におすすめできる外構スタイルです。小さい子供がいる家庭やペットのいる家庭では外部と敷地内を隔てるものがないオープン外構では飛び出しなどが心配ですが、クローズ外構は費用がかかります。
セミクローズ外構であれば部分的なフェンスの設置などでコストを抑えつつ敷地を囲うことができます。高級車を所有している場合、いたずらや風雨によって車が傷むことを避けるためにシャッター付の車庫にしたいという方が多いですが、こちらもやはりコスト面での懸念があります。
セミクローズ外構なら庭やアプローチ部分はオープンにして車庫だけはシャッター付といったスタイルを選ぶことで、大切な車を守りつつ開放感がありコストをかけすぎない家づくりができます。
限られた予算内で、家の完成度をなるべく高めたいという人にもセミクローズ外構はぴったりです。
北向きの土地ではなるべく風通りをよくしておいたほうが良いですが、とはいえオープン外構にするのは居心地が悪そうと感じる方も、気になる部分だけにフェンスや塀を設置して視線を遮るセミクローズ外構が適しています。
まとめ
外構は家の印象を左右しますし、住み心地にも影響するのでしっかりと計画を立てておく必要があります。セミクローズ外構はそこまで費用をかけることなく気になる部分の視線を遮ったり、子どもやペットの飛び出しを防止したりすることができるので、多くの人にとって最適解となるのではないでしょうか。こちらで紹介した内容も参考に、自分の家にベストな外構について考えてみてください。